Review 膵β細胞の新たな供給源 2005年7月1日 Nature Biotechnology 23, 7 doi: 10.1038/nbt1115 糖尿病のβ細胞障害を治療するための大きな構想が2件進行中である。一方は移植に適したβ細胞をex vivoで作製しようとするものであり、もう一方は膵内でβ細胞の再生を刺激しようとするものである。ex vivo増殖の研究では、β細胞が脱分化、増殖、および再分化の能力をもつことが示唆されている。マウスおよびヒトの胚性幹(ES)細胞を用いた研究では未だ真のβ細胞の表現型をもつ細胞が作り出されていないが、最近ではES細胞の内胚葉への誘導に進展がみられている。マウス膵では膵島幹細胞または前駆細胞と考えられる細胞が同定されており、膵管細胞、腺房細胞、および肝細胞からのβ細胞新生は活発な研究領域である。グルカゴン様ペプチド1/エクセンディン4(exendin-4)、および上皮成長因子とガストリンとの併用など、ペプチドにはin vivoでβ細胞の再生を刺激するものがある。β細胞の新たな供給源の探索が示す最近の進展から有望な機会が新たに切り拓かれ、臨床試験が数多く開始されている。 Full text PDF 目次へ戻る