Letter 人工神経回路網を用いたゲノム規模のsiRNAライブラリーの設計 2005年8月1日 Nature Biotechnology 23, 8 doi: 10.1038/nbt1118 現在までに行われた最大規模の遺伝子ノックダウン実験では、低分子干渉/短いヘアピン(si/sh)RNAが遺伝子ごとに複数用いられてきた。この制約を解消してゲノム規模のsiRNAライブラリーを設計するため、シュトゥットガルト神経回路網シミュレーターを用いてmRNA 34種類を標的とするsiRNAから2,182個を無作為に選択したデータセットでアルゴリズムを訓練した。分析は高処理能蛍光レポーター遺伝子法で行った。このアルゴリズム(BIOPREDsi)では、独立したテストセット中のsiRNA 249個(ピアソン係数 r = 0.66)、および内在性遺伝子を標的とするsiRNAの活性がmRNAおよびタンパク質のレベルで高い信頼性をもって予測された。相補的な21ヌクレオチド(nt)のガイド配列で訓練した神経回路網は19 ntの配列で訓練したものと比較して優れていた。BIOPREDsiを用い、1遺伝子あたり強力なsiRNA を2個もつゲノム規模のsiRNAコレクションを設計した。このsiRNA 5万個のコレクションを用いて低酸素症への細胞応答に関与する遺伝子を同定したところ、きわめて強力なヒットのなかには低酸素症の転写因子として重要なHIF1AおよびARNTがあった。 Full text PDF 目次へ戻る