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単色レーザーによる二色蛍光相互相関分光法がイシサンゴMontipora由来タンパク質の蛍光変異体で実現する

Nature Biotechnology 24, 5 doi: 10.1038/nbt1207

二色蛍光相互相関分光法(FCCS)は、タンパク質間相互作用を定量測定するための有望な技術である。この技術では、共通の測定領域内にある2種類の蛍光標識を同時に励起し、その蛍光を同時に検出する。しかし、2本のレーザーの光軸調整が困難であるとともに、2種類の蛍光団の発光が交差することから、この技術は複雑なものとなっている。こうした制約を克服するため、我々はストークスシフトの大きな蛍光タンパク質を開発した。Keimaと名付けたこのタンパク質は、極大吸光波長が440 nm、極大発光波長が620 nmである。単量体化したKeimaをシアン蛍光タンパク質と組み合わせると、単一のレーザー光(458 nm)を用いて2種類の蛍光を完全に分離検出する二色FCCSが実現した。このFCCS法により、カスパーゼ3によるタンパク質分解、およびカルモジュリンとカルモジュリン依存性酵素との結合が高感度で検出された。Keima、およびその変異体(極大発光波長570 nm)は、単一波長励起による同時多色撮像を容易にするものと考えられる。

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