Review
昆虫遺伝子工学のための無トランスポゾン断片挿入
Nature Biotechnology 24, 7 doi: 10.1038/nbt1221
ベクターによる病害および農業病害虫の防除には、遺伝子組換え昆虫を野外に放つ方法が有望である。昆虫の形質転換では、遺伝子ベクターとして非自律性転位因子が利用されている。挿入された断片は対応するトランスポザーゼの非存在下では安定であるが、トランスポザーゼが常に存在しないとは限らない。本論文に示すのは、農業病害虫であるチチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)で全トランスポゾン配列を組み込み後に除去する方法である。挿入断片はトランスポゾン配列をもたないためトランスポザーゼの作用を受けない。