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分裂酵母に関するORFeomeのクローン化およびタンパク質局在の網羅的解析
Nature Biotechnology 24, 7 doi: 10.1038/nbt1222
生物のタンパク質をコードする全オープンリーディングフレーム(ORF)、すなわちORFeomeのクローン化は、ゲノム情報を下流の「オミクス」解析に結びつける手段となる。今回我々は、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)のORFeomeをクローン化し、それをもとにプロテオームレベルの研究を行った。組換えクローン化システムを利用することにより、さまざまな解析に容易に使用可能な状態のORF 4,910種を得た。まず、分裂酵母ゲノムプロジェクトのORF予測を、各ORFの3'末端にタグを付けて発現させることによって評価した。次に、分裂酵母プロテオームの約90%に相当する4,431種類のタンパク質の局在を、各ORFを黄色蛍光タンパク質でタグ付けして明らかにした。さらに、核外輸送タンパク質Crm1の阻害剤レプトマイシンBを用い、局在がCrm1に制御されているタンパク質285種類を同定した。