Article アプタマーsiRNAキメラ分子によるsiRNAの細胞型特異的な輸送 2006年1月1日 Nature Biotechnology 24, 8 doi: 10.1038/nbt1223 低分子干渉RNA(siRNA)に関しては、治療の効果および安全性を改善するために、標的輸送を行う技術が求められている。このため我々は、機能性siRNAの細胞型特異的な結合および細胞内輸送が可能なアプタマーsiRNAキメラRNAを開発した。キメラ分子のアプタマー部分は、前立腺がん細胞および腫瘍血管内皮で過剰発現する細胞表面受容体PSMAとの結合を左右する。またsiRNA部分は、生存関連遺伝子群の発現を標的とする。PSMA発現細胞に添加すると、キメラ分子は細胞内に取り込まれてダイサーによる切断を受け、siRNA標的タンパク質が消失して細胞死が誘導される。逆に、PSMAを発現しない細胞には結合せず、機能することもない。このキメラ分子はまた、腫瘍の増殖を特異的に阻害し、前立腺がんの異種移植モデルで腫瘍退縮をもたらす。この結果は、siRNAを標的輸送する方法にがん治療を含むさまざまな用途が期待されることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る