Letter 天然物およびその生合成経路の発見に向けたプロテオミクス的アプローチ 2009年10月1日 Nature Biotechnology 27, 10 doi: 10.1038/nbt.1565 抗生、抗がん、抗真菌特性をもつ天然物には、非リボソームペプチド合成酵素(NRPS)およびポリケチド生成酵素(PKS)によって合成されるものが多い。ゲノム配列解析によってこのような酵素の多様性が明らかにされてきたが、新しい産物およびその生合成経路の同定は未だに困難である。この種の酵素のサイズ(多くは2,000アミノ酸超)および共通のホスホパンテテイニル補因子から生ずる固有のマーカーイオンを利用し、我々は、質量分析法に基づくプロテオミクスを用いて、ゲノム配列情報によらずに微生物プロテオームのNRPSおよびPKS遺伝子クラスターを選択的に検出した。我々は、Bacillus属およびStreptomyces属細菌に既知のNRPS系を見出し、22種類の環境分離株をスクリーニングして、ハイブリッドNRPS-PKSツヴィッターマイシンA生合成遺伝子クラスターから未知の天然物が産生されていることを発見した。また、7残基リポペプチドを産生するNRPSクラスターも発見した。この「タンパク質本位」戦略は、新しい天然物を産生する発現遺伝子クラスターを発見することにより、バイオアッセイおよび配列を用いる方法を補完するものである。 Full text PDF 目次へ戻る