Letter 光による生細胞内のタンパク質間相互作用の誘発 2009年10月1日 Nature Biotechnology 27, 10 doi: 10.1038/nbt.1569 タンパク質間相互作用は、多くの細胞内反応に不可欠である。我々は、生細胞内で光を用いてタンパク質のヘテロおよびホモ二量化を人工的に誘発する光活性化二量化(LAD)という技術を開発した。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のFKF1およびGIGANTEA(GI)タンパク質を用い、我々は、相互作用が青色光によって制御されるタンパク質タグを作製した。我々は、LADタグを用いたこのシステムが低分子量Gタンパク質Rac1の細胞膜への移行を可能にし、偏斜照明に反応して局所的な膜状仮足形成を誘発することを示し、このシステムの有用性を明らかにした。また、GIおよびFKF1を、それぞれGal4のDNA結合ドメインおよびVP16のトランス活性化ドメインと融合させることにより、光で活性化する転写因子を作製した。この結果は、この技術がほかのシステムにも容易に適用可能であることを示している。本研究は、生体内の受容体活性化やシナプス形成などのシグナル伝達事象を制御する光調節シグナル伝達分子を開発する基盤となるものである。 Full text PDF 目次へ戻る