Letter [RESOURCE] シトクロムP450アイソザイムの選択性の化学物質ライブラリー横断的な網羅的特性解析 2009年11月1日 Nature Biotechnology 27, 11 doi: 10.1038/nbt.1581 シトクロムP450(CYP)遺伝子ファミリーは、薬物の代謝および生体内活性化を触媒するため、医薬品開発とかかわりが深い。我々は、in vitroの生物発光分析法により、5種類の組み換えCYPアイソザイム(1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)に対する17,143種類の化合物の力価を測定した。この化合物群は、米国食品医薬品局(FDA)承認薬のライブラリーおよびスクリーニングライブラリーを含んでいる。各ライブラリーでアイソザイムの阻害が認められ(30〜78%)、ライブラリー間には重大な差が存在した。5種類のアイソザイムすべてに不活性なものは、典型的なスクリーニングライブラリーではわずか7%であったのに対し、FDA承認薬では33%であり、後者の最適化された薬理特性を反映していた。CYP 2Cアイソザイム活性の低さが薬物に共通の特性である一方、CYP 2D6などそれ以外のアイソザイムは、スクリーニングライブラリーの最適化されていない化合物と薬物との間でほとんど差がないことを、今回の結果は示唆している。本研究では、5種類のアイソザイムの間で異なる化学的下部構造も発見された。本論文にまとめた薬理学的情報は、CYPアイソザイムの理解を深めるものと考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る