Letter 二酸化炭素のイソブチルアルデヒドへの直接光合成的なリサイクル 2009年12月1日 Nature Biotechnology 27, 12 doi: 10.1038/nbt.1586 世界的な気候変動は、CO2排出量削減への取り組みを促進している。この問題に取り組む方法の1つは、光合成を利用してCO2を燃料または化成物に直接リサイクルすることである。今回我々は、藍藻Synechococcus elongatus PCC7942を遺伝子操作してイソブチルアルデヒドおよびイソブタノールをCO2から直接生産させ、リブロース1,5-二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(ルビスコ)の過剰発現によって生産性を向上させた。イソブチルアルデヒドはほかの化成物の原料であり、イソブタノールは代替ガソリンとして利用可能である。イソブチルアルデヒドの高蒸気圧は、in situでの生成物回収を可能とし、生成物の毒性を低下させる。組み換え株は8日間活動状態を維持し、藍藻または藻類によるエタノール、水素、脂質生産での報告値を上回る効率でイソブチルアルデヒドを生産した。今回の結果は、バイオマスを分解せずにCO2から燃料および化成物への直接的な生物学的変換を行う方法の将来性を強く示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る