Article 蛍光活性プローブを用いた高処理能スクリーニングによる特性の不明な酵素の選択的阻害物質の同定 2009年4月1日 Nature Biotechnology 27, 4 doi: 10.1038/nbt.1531 酵素の小分子モジュレーターを発見するための高処理能スクリーニングは、高度に個別化した基質分析法に依存することが多く、特性の不明な酵素に用いることができない。本論文では、基質を用いずに特性の不明な酵素の阻害物質を同定する一般的な方法を示す。この分析法は、共有結合による活性部位標識の動態変化を、阻害物質の存在下で広域蛍光プローブを用いて蛍光偏光シグナルを監視することによって測定する。この技術は、機能的アノテーションの程度にかかわらず、複数の機構クラスの酵素に適用可能であり、競合活性に基づくプロファイル解析によってスクリーニングのヒットの特異性を迅速に判断する二次的なプロテオミクス分析と併用可能であることが示された。この方法により、特性の不明ながん関連ヒドロラーゼRBBP9の選択的阻害物質として、生物活性アルカロイド「エメチン」が同定された。また、がんにも関与する解毒酵素GSTO1が、公開ライブラリー上の複数の求電子化合物によって阻害され、その一部がこのタンパク質に高い選択性を示すことも明らかにされた。 Full text PDF 目次へ戻る