Article N結合型細胞表面糖タンパク質の質量分析法による同定および相対的定量 2009年4月1日 Nature Biotechnology 27, 4 doi: 10.1038/nbt.1532 細胞型の分類は分化マーカーとしての細胞表面タンパク質の同定に依存する場合が多いが、フローサイトメトリーに適切な抗体が必要であり、現在のところ1回の測定で検出可能な分化マーカーは最大12種類に限られている。我々は、細胞表面に露出した糖タンパク質から特異的に多重質量分析法で数百カ所のN結合型糖鎖付加部位を突き止めることにより、抗体を用いずに、偏りなく、また予備知識もなしに、細胞の表現型を特定した。我々の細胞表面捕捉法は、生細胞の細胞外グリカン部分を共有結合的に標識する方法であり、これを用いてTおよびB細胞の細胞表面N糖プロテオームの検出および相対的定量による比較を行うとともに、T細胞の活性化および胚性幹細胞から神経前駆細胞への調節的分化にみられる細胞表面N糖タンパク質マーカーの量的変化を追跡した。細胞表面N糖タンパク質のスナップショット表示は、ほかの方法では現在検出不能なN糖タンパク質群を分化マーカーとして検出可能にすると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る