Article 分子バーコード化した酵母ORFライブラリーが可能とする生物活性化合物の作用機構分析 2009年4月1日 Nature Biotechnology 27, 4 doi: 10.1038/nbt.1534 変異すると薬剤耐性を与えて薬剤作用機構の推論を可能にする遺伝子を同定するためにデザインした酵母のケミカルゲノミクス的方法を紹介する。我々は、遺伝子本来のプロモーターおよびターミネーターによって制御される個々の遺伝子を、固有のオリゴヌクレオチドバーコード2個とともにセントロメアベースのベクターにクローン化することにより、分子バーコード化酵母オープンリーディングフレーム(MoBY-ORF)ライブラリーを開発した。MoBY-ORFという資源は、さまざまな遺伝学的、化学遺伝学的利用法が可能であるが、本研究では、相補法を用いて薬剤耐性変異の野生型遺伝子をクローン化すること、およびバーコードマイクロアレイを用いてすべての形質転換細胞の生育度を同時に評価することに焦点を当てた。相補クローニングが正しく行われたかどうかは、薬剤耐性変異に伴う特異的な多型を同定する全ゲノム酵母タイリングマイクロアレイで変異を検出することによって確認した。我々は、MoBY-ORFライブラリーを用いて複数の薬剤耐性変異体に関する遺伝子的基盤を解明し、その解析で新種のステロール結合化合物を見出した。 Full text PDF 目次へ戻る