Article

想定どおりの機能をもつ人工遺伝子ネットワークを多様性に基づきモデルを用いて構築する

Nature Biotechnology 27, 5 doi: 10.1038/nbt.1536

人工的な遺伝子ネットワークをモジュール要素から構築することは、合成生物学の大きな目標のひとつである。しかし、適切な要素が不足しているうえ、意図したとおりに機能させるには組み立てたネットワークを大規模に繰り返し調整せざるをえない場合が多いため、想定どおりの機能をもつ遺伝子ネットワークの構築は進展していない。本論文では、(無作為な可欠配列によって合成された)多様な要素のライブラリーをコンピューターモデルと組み合わせ、事後的な微調整を行わずに想定どおりの遺伝子ネットワークを生み出す方法を紹介する。我々は、Saccharomyces cerevisiaeを対象に、作製した調節プロモーターライブラリーを用いて想定どおりの入出力特性をもつ多様なフィードフォワードループネットワーク群を構築することにより、この方法が機能することを示した。次に、この方法を拡張し、要素の選択によって調整可能な想定どおりのタイマーとして機能する人工遺伝子ネットワークを構築した。このネットワークを用いると酵母の沈降のタイミングが制御されたことから、我々の設計のプラグアンドプレイ特性がバイオテクノロジーに容易に応用可能であることが示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度