Letter マイクロRNAによるA型インフルエンザウイルスの種特異的な弱毒化 2009年6月11日 Nature Biotechnology 27, 6 doi: 10.1038/nbt.1542 A型インフルエンザウイルスは、毎年の流行および突発的なパンデミックを引き起こしている。現在の予防法は、温度感受性を付与した弱毒化ウイルスを鶏卵で増殖させた弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)が中心である。本論文では、マイクロRNAによる遺伝子サイレンシングを利用してA型インフルエンザウイルスを弱毒化する新しい方法を紹介する。ウイルスの核タンパク質のオープンリーディングフレームに非鳥類マイクロRNA応答エレメント(MRE)を組み込むことにより、H1N1およびH5N1に対し、マウスでは弱毒化されるが鶏卵では弱毒化されない再集合体LAIVを作製した。MREを利用したLAIVは、MREをもたない対照ウイルスとの比較で致死性が2桁以上低く、さまざまな抗体反応を誘発した。この方法を既存のLAIVと組み合わせれば、弱毒性が高まってワクチンの安全性が向上する可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る