Letter RNA結合タンパク質のRNA認識特異性の迅速で系統的な解析 2009年7月1日 Nature Biotechnology 27, 7 doi: 10.1038/nbt.1550 後生動物のゲノムは何百種類ものRNA結合タンパク質(RBP)をコードしているが、RNAの結合優先性が明らかにされているものは比較的少数に限られている。現在、RNA標的を特定するにはin vitro選択法やRNA共免疫沈降法などの技術があるが、いずれも多大な時間と労力を必要とする。本論文では、RNAコンピートという方法を紹介する。これは、1回の結合反応により、構造化および非構造化RNAという環境中のk-merの全体を含有する短いRNAに対するRBPの相対的な優先性を明らかにする方法である。我々は、RNAコンピートを試験するために、9種類のRBP(HuR、Vts1、FUSIP1、PTB、U1A、SF2/ASF、SLM2、RBM4、およびYB1)を解析した。RNAコンピートによって確認された結合優先性には、予期されていたものと、これまで知られていなかったものがあった。in vitroおよびin vivoの結合データにより、RNAコンピートで同定した個々の7-merの優先性は、従来のモチーフモデルと比較して、結合活性を正確に表していることが明らかにされた。我々は、RNAコンピートがRNAタンパク質間相互作用の研究に有益なツールになると考える。 Full text PDF 目次へ戻る