Article 一分子塩基配列解読法による酵母トランスクリプトームの定量 2009年7月1日 Nature Biotechnology 27, 7 doi: 10.1038/nbt.1551 本論文では、一分子塩基配列解読デジタル遺伝子発現法(smsDGE)を紹介する。これは、ヘリコス遺伝子解析システムを用い、細胞のポリアデニル化 RNA転写物の全領域を正確に定量するための高処理能で増幅を必要としない方法である。smsDGEでは、逆転写およびポリA尾部の付加によって試料を調製し、塩基配列の解読を行って1転写物につき1個の解読結果を得る。我々はsmsDGEをSaccharomyces cerevisiae DBY746株のトランスクリプトームに応用し、一回の配列解読運転で有効な50チャネルのうちの6チャネルを用いて、1チャネルにつき平均1,200万のアラインメントされた解読結果を得た。スパイクインRNAを用いると、4桁にわたって正確な定量測定結果が得られた。個々のフローセルチャネル、測定機器の運転、および試料調製の間には、高い相関が認められた。smsDGEの転写物の計量は、それぞれの転写分子を1回の解読結果で表すため高効率である。この効率性は、一分子配列解読プラットフォームによる処理能の高さとあいまち、発現プロファイル解析に新たな方法を提供するものである。 Full text PDF 目次へ戻る