Perspective システム生物学グラフィカル表記標準 2009年8月1日 Nature Biotechnology 27, 8 doi: 10.1038/nbt.1558 回路図および統一モデリング言語図は、標準的な視覚的言語のほんの一例であり、複雑な情報の交換を目的とした規則性の促進、曖昧さの除去、ソフトウェアツールによる支援の実現によって研究を加速させるのに役立っている。皮肉にも、生物学分野では文字情報に対してグラフィカルな情報の割合がきわめて高いにもかかわらず、未だに標準的なグラフィカル表記標準が存在しない。最近は大量の生物学的知識が発生しており、この問題に取り組むことが差し迫った課題となっている。この目標に向けて、本論文では生化学者、モデル学者、およびコンピューター科学者のコミュニティーによって開発された視覚言語であるシステム生物学グラフィカル表記標準（SBGN）を紹介する。SBGNはプロセス図、エンティティ関係図、およびアクティビティフロー図という3種類の補完的言語からなる。これを同時に用いれば、生化学的相互作用のネットワークが標準的かつ明確な方法で表現される。SBGNにより、遺伝子調節から代謝や細胞シグナル伝達まで、あらゆる種類の生物学的知識に関する情報の効率的で正確な表示、視覚化、保存、交換、および再利用が促進されると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る
