Article 最適化されたアプタマーsiRNAキメラの全身投与はPSMA発現腫瘍の退縮を促進する 2009年9月1日 Nature Biotechnology 27, 9 doi: 10.1038/nbt.1560 RNAアプタマーと低分子干渉(si)RNAとのキメラは、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する前立腺がん細胞を標的としているが、in vivoでの治療効果が認められているのは腫瘍内投与のみである。この方法を臨床的に用いるには、全身投与で効果を発揮する化学合成しやすいキメラが必要であろう。そこで我々は、細胞装置によるsiRNAのプロセシングの効率を上げることができる修飾をアプタマーsiRNAキメラに導入し、キメラのサイレンシング活性および特異性を向上させた。その修飾とは、2ヌクレオチドの突出を3′末端に付加すること、およびsiRNAガイド鎖のプロセシングを促すように二本鎖の熱力学的特性および構造を最適化することである。また、大規模な化学合成を容易にするため、キメラのアプタマー部分の短縮も行った。最適化されたキメラを胸腺欠損マウスに全身投与すると、PSMA発現腫瘍に著明な退縮が認められた。抗腫瘍活性は、ポリエチレングリコール基の付加によってさらに向上し、キメラの循環半減期が延長した。 Full text PDF 目次へ戻る