Analysis

(COMPUTATIONAL BIOLOGY ANALYSIS) ヒトB細胞の転写因子活性の翻訳後調節分子がゲノム規模で同定された

Nature Biotechnology 27, 9 doi: 10.1038/nbt.1563

転写因子(TF)の標的分子発現制御能力は、さまざまな遺伝的、後成的メカニズムによって調節されており、高度に細胞状況依存的な調節ネットワークが形成されている。しかし、TF活性に影響を及ぼすタンパク質の同定を目的とした高処理能な方法は、利用可能なものが未だにほとんど存在しない。本論文では、特定の細胞状況下のTF活性に関する翻訳後調節分子のゲノム規模での同定を目的とするアルゴリズムMINDy(modulator inference by network dynamics;ネットワーク動態による調節分子の推定)を紹介する。MINDyを用いてヒトBリンパ球でのMYC活性の調節を詳細に解析したところ、タンパク質の代謝回転や転写複合体の形成、選択的な酵素補充など、さまざまなメカニズムによって作用する新たなMYC機能調節分子が推定された。MINDyは、あらゆる細胞状況の哺乳類TFの翻訳後調節に関する研究に広く応用可能である。そのため、細胞状況特異的なシグナル伝達経路および複合的転写調節の解析に利用することができる。

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