Article 遺伝子組み換えマウスモデルを用いたKras変異腫瘍の治療効果の評価 2010年6月1日 Nature Biotechnology 28, 6 doi: 10.1038/nbt.1640 ヒトの臨床転帰は異種移植および初期世代遺伝子組み換えマウスモデル(GEMM)で確実に予測することができず、新規抗がん剤の認可率の低さは、治療効果を表す優れた前臨床モデルの必要性を強調している。ヒトのがんのさまざまな面を忠実に模倣するGEMMが最近散見されるが、臨床治療効果の予測能力は体系的に検討されたことがなかった。我々は、既存の標準的な化学療法、およびその後のEGFRおよびVEGF阻害剤の併用に対する効果を検討することにより、最新の2種類の変異Kras型GEMM ― 非小細胞肺がんと膵腺がん ― の有用性を評価した。有効性の評価には、非侵襲的画像化法による総生存率および無進行生存率を含めて標準的な臨床評価項目を用いた。対応する臨床試験との比較により、両GEMMがヒトの応答をよく表すことが示されるとともに、転帰の予測および治療効果と抵抗性のメカニズムの検討に検証されたGEMMを利用するための基礎が築かれた。 Full text PDF 目次へ戻る