Letter

コンピューターが支援する合理的な設計による弱毒生インフルエンザウイルスワクチン

Nature Biotechnology 28, 7 doi: 10.1038/nbt.1636

インフルエンザにはワクチンが存在し、精力的に生物医学的研究が行われているが、世界ではインフルエンザで毎年25〜50万人の生命が奪われており、迅速に設計して簡単に生産することができる有効性の高い新ワクチンの探索が模索されている。我々は、すでに発表されている人工弱毒ウイルス工学(SAVE)法をインフルエンザウイルスA/PR/8/34株に応用し、コドン対バイアスの全ゲノム的変化により、弱毒生インフルエンザウイルスのワクチン候補を合理的に設計した。弱毒化はウイルスゲノム全体の数百個にのぼるヌクレオチドの変化に基づくため、弱毒変異体が病原性をもつものに復帰する危険性は低い。コドン対脱最適化ウイルスの単回経鼻投与でマウスを免疫することにより、その後で接種した野生型インフルエンザウイルスに対する抵抗性が付与された。この方法が新規のあらゆるインフルエンザウイルスに対してただちに応用可能であることは、H5N1や2009-H1N1インフルエンザのような季節的流行およびパンデミックの脅威への対処では特に有意義な利点である。

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