Perspective

BioPAX:経路データの共有化を目的とする学界標準

Nature Biotechnology 28, 9 doi: 10.1038/nbt.1666

BioPAX(Biological Pathway Exchange)は、分子および細胞レベルで生物学的経路を表現し、経路データの交換を促進するための標準言語である。経路データ量の急激な増加のため、解釈を支援するためのデータベースおよび計算ツールの開発が進んでいるが、現在はフォーマットの互換性がない多数のデータベースに経路情報が分散しているため、データの利用が進展していない。標準化プロセスによって開発されたBioPAXでは、経路データの収集、インデックス作成、解釈および共有化を大幅に容易にすることでこの問題が解決され、代謝およびシグナル伝達経路、分子間および遺伝子間相互作用、さらには遺伝子調節ネットワークを表現することができる。BioPAXを用いれば、データベースが増加し続けても、多数の生物の何百万もの相互作用から数千種類の経路を構成し、利用することができる。計算可能な形式をもつこの大量の経路データにより、視覚化、分析、および生物学的探索が支援されるものと考えられる。

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