Perspective

亜鉛フィンガーヌクレアーゼによるラットおよびマウス胚への選択的な遺伝子の組み込み

Nature Biotechnology 29, 1 doi: 10.1038/nbt.1731

遺伝子の標的化は、逆遺伝学および疾患動物モデル作製に不可欠である。胚性幹細胞に基づく標的化技術の確立によってマウスが最も広く利用されるモデル動物系になっている一方で、ほかの哺乳類種にはゲノム改変のための有用なツールが存在しない。最近、組み換え亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)の胚への顕微注射を用いて非相同末端結合(NHEJ)が媒介する欠失または挿入を標的部位に導入することにより、遺伝子ノックアウトラットおよびマウスが作製された。今回我々は、Sprague Dawleyラット、Long-Evans hoodedラット、およびFVBマウスに対し、胚にZFN技術を用いて相同組み換えで配列特異的な改変(ノックイン)を導入した。この方法は、点変異、正確な挿入および欠失、ならびに条件付きノックアウトおよびノックインなどの改変をもたらす精密なゲノム操作を可能とする。同じ戦略は、遺伝子工学的ツールを必要とするほかの多くの種にも応用可能と考えられる。

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