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組換え、およびTel1とMec1のチェックポイントはそれぞれ別個に、酵母のテロメア機能不全によって生じるゲノム再構成に影響をもたらす

Nature Genetics 36, 6 doi: 10.1038/ng1359

テロメラーゼ欠損出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいて、テロメアは組換えにより維持される。本論文では、S. cerevisiaeを用いて総染色体再構成(gross chromosomal rearrangement;GCR)を解析し、老化後のテロメラーゼ欠損細胞でのゲノム不安定性を調べた。テロメラーゼ欠損変異株tlc1est2ではGCR率の増加はみられなかったが、テロメアは他のDNAと結合して染色体融合を生じることがあった。テロメラーゼ欠損細胞でのTel1もしくは、Rad51かRad59のどちらかの組換え修復系の不活性化は、テロメアが維持されていたにもかかわらず、GCR率を上昇させた。調べたGCRは、非相同末端連結により形成される転座と染色体融合であった。染色体融合はRad51とRad55が発現しているか、Tel1が不活化されている変異株でのみ観察された。それに対してMec1の不活化では、ヒトの腫瘍でみられる同腕染色体のような逆位転座を多く生じた。これらの逆位転座は、切断染色体の複製後に起きた組換えにより形成されると考えられる。

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