Letter

Plzfは成体雄における生殖細胞幹細胞の自己複製に必要である。

Nature Genetics 36, 6 doi: 10.1038/ng1366

成体の生殖系列の幹細胞は、自己複製、組織再生および多数の分化した子孫細胞の産生が可能である。今回我々は、古典的な変異マウス luxoidにおいては、成体の生殖系列幹細胞の自己複製に障害があることを示す。若年のホモ接合性luxoid変異マウスは、正常精子の産生数が少なく、生後徐々に生殖系列の細胞を失う。移植研究により、変異マウス由来の生殖細胞は、レシピエント精巣にコロニーを形成しないことが示された。このことは、欠陥が幹細胞自体のものであることを示唆している。我々は、luxoid変異マウスにおいて、未分化細胞のエピジェネティックな状態を制御する転写抑制因子Plzfをコードする遺伝子にナンセンス変異があることを確認し、さらに、Plzfが未分化な精原細胞においてOct4と共に発現していることを明らかにした。これは哺乳類における生殖細胞幹細胞の自己複製に必要であることが示された初めての遺伝子である。

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