Letter 神経冠由来腸管神経前駆細胞におけるエンドセリン受容体BのSOX10による時空間的調節 2004年7月1日 Nature Genetics 36, 7 doi: 10.1038/ng1371 ヒルシュスプルング病(HSCR)は、新生児5000人に対して1人の割合で発生する多遺伝子性の先天的異常で、腸管内神経冠由来神経節細胞の欠損を特徴とする。HSCRにおいて影響を受ける主要遺伝子のうち1つは、Gタンパク質共役型エンドセリン受容体Bをコードする遺伝子(EDNRB)である。EDNRBの発現は腸管神経系(ENS)の結腸への移動期における特定期間に必須である。本論文では、EDNRBのENSエンハンサー保存配列の時空間的調節について述べる。この1kb長のエンハンサーはENS前駆細胞が結腸に近づくにつれて活性化される。また、内在性EDNRB遺伝子座においてこのエンハンサー配列を部分的に欠失したマウスは、皮膚が着色され、巨大結腸のため出生後に死亡する。我々は、SRY関連転写因子でHSCR に関連するSOX10の結合部位を、EDNRBの ENSエンハンサー内に同定した。この結合部位に変異を導入したマウスの解析を行うと、SOX10がENSにおけるEDNRBの発現調節に対して多元的な役割を果たす可能性が示唆された。 Full text PDF 目次へ戻る