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桿体由来の錐体生存因子の同定および性質決定

Nature Genetics 36, 7 doi: 10.1038/ng1386

網膜色素変性症は失明を引き起こす治療不能の遺伝性網膜疾患である。この疾患は、桿体視細胞の変性による暗視能力の消失で始まり、その後錐体視細胞の不可逆的で進行性の消失が続く。錐体は昼間視および高度の視力に不可欠であるので、錐体消失は主要な視覚障害の原因である。網膜色素変性症に関連するほとんどの遺伝子はこれらの細胞で発現していないので、この錐体消失は間接的なものである。我々はこれまでに、桿体から分泌される因子が錐体の生存に不可欠であることを示した。今回我々は、発現クローニングによってそのような栄養因子の1つを同定し、桿体由来の錐体生存因子(RdCVF)と命名した。RdCVFは、視細胞に特異的に発現している短縮型のチオレドキシン様タンパク質である。このタンパク質の同定は、網膜色素変性症の新しい治療の可能性を提供するものである。

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