Article 分裂酵母細胞周期の周期的な遺伝子発現プログラム 2004年8月1日 Nature Genetics 36, 8 doi: 10.1038/ng1377 転写による細胞周期制御は普遍的であるようだが、その全体的な保存性と生物学的意義に関してはほとんど知られていない。本論文では、407の周期的に発現する遺伝子(そのうち大きな振幅変化をみせる遺伝子は136)を同定し、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)細胞周期のゲノム全体にわたる転写プログラムについて報告する。これらの遺伝子を、発現の波形により主要な4群に分類した。フォークヘッドタンパク質 Sep1pは、Ace2pをはじめとする第1群の細胞分裂遺伝子を制御する。Ace2pはM-G1期移行および細胞質分裂の間に第2群の転写を活性化する。第2群(G1-S期進行に必要である)の他の遺伝子は、Sep1pと Ace2pには非依存的に、MBF複合体によって制御される。第3群はS期と一致しており、第4群はG2期に弱く制御される遺伝子を含む。細胞周期に関与する転写因子が保存されているにもかかわらず、分裂酵母と出芽酵母間の制御回路の違いは明らかで、転写制御の進化的な可塑性を明らかにしている。真核生物の細胞周期において普遍的に制御され、細胞周期進行において主要な役割を担っているであろう約40遺伝子からなる中心的な遺伝子セットを除いて、ほとんどの遺伝子の周期的な転写は、2つの酵母間で保存されていない。 Full text PDF 目次へ戻る