Letter ヒトゲノムにおけるありふれた欠失多型 2006年1月1日 Nature Genetics 38, 1 doi: 10.1038/ng1696 ヒトゲノムにおけるありふれた欠失変異の場所とその特徴については、ほとんどが知られていない。本論文では、高密度SNP遺伝子型データを使って、欠失をみつけるための体系的な方法について述べ、また国際ハップマップコンソーシアムのデータに応用し、ヒトゲノム全体にわたり欠失多型の分離を同定しカタログ化したのでそれを報告する。我々は、1kbから745kbの長さの541の欠失多型(94%は新規)を同定した。これらの多型のうち278は、血縁関係のない複数の個人において見つかり、そのうち120はホモ接合体であった。遺伝子を発現させたところ、10個の遺伝子をコードするエキソンにありふれた欠失がみられ、そのなかには、性ステロイド代謝、嗅覚、あるいは薬剤反応の機能をもつ遺伝子が複数含まれていることがわかった。これらのありふれた欠失多型は概して、近くに存在するSNPと連鎖不平衡にある祖先変異を示すもので、それらと疾患との関連は、SNPを使った全ゲノム関連解析によりしばしば検証されうることが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る