1. Nature Japan
  2. Nature Genetics
  3. v38 n12
  4. 二元スイッチシステムがショウジョウバエの雄と雌における雄の求愛行動を変化させる
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二元スイッチシステムがショウジョウバエの雄と雌における雄の求愛行動を変化させる

Nature Genetics 38, 12 doi: 10.1038/ng1908

ショウジョウバエDrosophila melanogasterの性行動にまつわる最新のモデルでは、雄特異的なfruitless遺伝子（fruM）が性行動を変化させる遺伝子「スイッチ」とされており、雌および雄で発現されるdoublesex遺伝子（おのおのdsxFとdsxM）産物が性特異的な器官形成を制御すると仮定している。我々はこの簡略なモデルに対して、dsxのほかに、fruMや性特異的でないretained（retn）も、雄、雌両方の性行動に影響を与えることを示す。雌のハエでは、retnとdsxFの両方が雌の受容行動をもたらし、さらに両遺伝子ともfruMの有無にかかわらず雄と同様の求愛行動活性を抑制するように働く。雄では、dsxMが雄の求愛行動に対してプラス要因として機能する。これは、dsxMとdsxFが互いに逆の機能を示すことに矛盾しない。retnもまた、雄特異的なローレンス筋（muscle of Lawrence）の発生においてfruMとは逆の機能を示す。分子レベルにおいては、retnは、すでにその形成が明らかにされている、zerknullt（zen）の転写を抑制する複合体を介して性行動を変化させると考えられる。したがって本研究成果は、retnのようなその他の発生遺伝子との関連において、fruとdsxが共同で行動に変化をもたらす「スイッチ」システムとして機能していることを示すものである。
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