Letter miRNA:Lin28は形質転換を促進し、ヒトの進行性悪性腫瘍と関連している 2009年7月1日 Nature Genetics 41, 7 doi: 10.1038/ng.392 let-7ファミリーのmiRNAは、ヒトのがんにおいてしばしば抑制されており、その標的であるHMGA2、K-Ras、c-Mycなどを活性化することにより腫瘍形成を促進する。しかし、let-7 miRNA群が協調して抑制される機序は明らかでない。RNA結合タンパク質LIN28とLIN28Bは、let-7前駆体が成熟miRNAにプロセシングされることを妨げるが、このことから、これらが過剰発現することによりlet-7が抑制され、悪性腫瘍を促進することが示唆される。我々は、LIN28とLIN28Bが主にヒトの腫瘍とがん細胞系で過剰発現しており(全頻度は約15%)、過剰発現がlet-7ファミリーmiRNAの抑制とlet-7の標的の活性化と関係していることを示す。LIN28とLIN28bはin vitroで細胞の形質転換を促進し、多くのがんの進行型で過剰発現している。我々の研究は、ある型のヒトのがんにおいてlet-7 miRNAが協調的に低下している機序を提示し、LIN28とLIN28Bの活性化が臨床的予後不良であることを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る