Letter 皮膚弛緩症:PYCR1の変異によって早老の特徴をもつ皮膚弛緩症が引き起こされる 2009年9月1日 Nature Genetics 41, 9 doi: 10.1038/ng.413 常染色体劣性遺伝の皮膚弛緩症(ARCL)は、早老の容貌、弛緩してしわの多い皮膚、骨減少症、および精神遅滞を伴うことが多い症候群的な疾患に属する。いくつかのARCL家系でのホモ接合性マッピングによって、染色体17q25に候補領域が同定された。候補領域全体の高性能配列決定によって、PYCR1遺伝子に疾患の原因となる変異を検出した。我々は、この遺伝子産物が、プロリン代謝にかかわる酵素であり、ミトコンドリアに局在していることを見出した。罹患者の線維芽細胞では、酸化ストレス下において、ミトコンドリア形態や膜電位の変化、アポトーシス率の増加が明らかであった。アフリカツメガエル(Xenopus)およびゼブラフィッシュにおいてオーソロガス遺伝子のノックダウンを行うと、アポトーシスの大幅な増加を伴った表皮の形成不全と水疱形成が引き起こされた。我々の知見は、PYCR1の変異とミトコンドリア機能の変化や結合組織の早老変化を結びつけるものである。 Full text PDF 目次へ戻る