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小脳発生:FOXC1は正常な小脳発生に必要であり、染色体6p25.3のダンディー・ウォーカー奇形に大きく寄与する

Nature Genetics 41, 9 doi: 10.1038/ng.422

ダンディー・ウォーカー奇形(DWM)は、ヒトの最も一般的な小脳奇形で、ただ1つの関連座位の特徴が明らかになっている。本論文では、2つ目のDWM関連座位6p25.3の特徴を明らかにし、FOXC1を含む欠失あるいは重複が、小脳虫部形成不全(CVH)、巨大大槽(MCM)およびDWMを含む、小脳および後頭蓋窩の奇形に関連することを示す。Foxc1ヌルマウスは、間葉から分泌されるシグナル伝達分子の欠損と、それに続く小脳虫部でのAtoh1発現の欠損のため、胚で菱脳唇の異常がみられる。Foxc1の低形質対立遺伝子のホモ接合では、小脳正中部の融合異常と小脳小葉構造の異常を伴うCVHがみられる。ヒトのFOXC1のヘテロ接合の変異は目の発生に影響を与えることが知られており、さまざまな緑内障関連異常(アクセンフェルド・リーガー症候群、ARS、MIM no.601631)を引き起こす。我々は、FOXC1変異をもつ人の脳画像データを初めて報告し、また、このような人はCVHでもあることを示す。我々はFOXC1機能のみの変化によってCVHが引き起こされ、MCMとDWMに寄与すると結論する。我々の結果は、早期の胚発生過程で、中脳-後脳での間葉-神経上皮の相互作用がこれまでには知られていなかった役割を担っていることを明らかにするものである。

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