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不和合性:Strubbelig 受容体キナーゼ3(SRF3)の天然にみられる多様性は、Arabidopsis thalianaの近交系の株での免疫作用により引き起こされる不和合性を誘導する

Nature Genetics 42, 12 doi: 10.1038/ng.704

種内における遺伝的な不和合性の蓄積は生殖の隔離とそれによる種分化の可能性をもたらす。この研究では、受容体様キナーゼをコードするSRF3Strubbelig Receptor Family 3)の対立遺伝子間の差異が、Arabidopsis thalianaの株間での不和合性を起こす条件を決めていることを示す。SRF3対立遺伝子の地理学的な分布から、RPP1耐性座位で、Landsberg erecta株の対立遺伝子に対し上位性を示す不和合性を引き起こす対立遺伝子型が、中央アジアのA. thalianaの株に存在している。不和合性をもったSRF3対立遺伝子は、同系の遺伝的基盤の和合性をもつSRF3遺伝子型がその耐性を低下させる効果をもつのに比べると、病原菌に対して初期免疫応答を亢進させる条件を備えている。病気に対する感受性の違いは、近年、他を一掃する選択的な分子的パターンが中央アジアの集団のSRF3座位において生じたことの基盤であることを示唆している。

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