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エキソーム:エキソームの塩基配列を決定したところ、ACAD9変異は呼吸鎖複合体Iの欠損であることが判明した

Nature Genetics 42, 12 doi: 10.1038/ng.706

呼吸鎖複合体I活性の単独の欠損は、しばしばミトコンドリアの病気として生化学的な異常を示す。近年の広範囲にわたる研究にもかかわらず、多くの場合、複合体Iの欠損を実証するような分子的な基盤は見つかっていない。ここでは、複合体Iを欠損した重篤な患者の全エキソームの塩基配列を報告する。この解析を行い、ミトコンドリアタンパク質を優先的に選別したところ、ACAD9に複合ヘテロ接合性変異があることが同定された。ACAD9は、ほとんど未解明のミトコンドリアのアシルCoA脱水素酵素タンパク質ファミリーのメンバーをコードしている。患者の繊維芽細胞に野生型のACAD9タンパク質を発現させると、複合体Iの欠損が回復されることで、ACAD9変異が病因となることを示すことができた。また、120の複合体Iの欠損を示す症例に対してACAD9をスクリーニングすると、さらに2つの独立した症例と全体として5つの病的なACAD9対立遺伝子を同定することができた。

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