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マイクロRNA:miR-212およびmiR-132はマウス乳腺の発達に必要な上皮間質相互作用に必要である

Nature Genetics 42, 12 doi: 10.1038/ng.709

マイクロRNAは、その標的遺伝子の発現の転写後調節を行う小分子非コードRNAである。しかし、哺乳類の器官形成におけるその役割は解明の途についたばかりがである。本論文では、マイクロRNA-212/132ファミリー(miR-212とmiR-132が含まれる)は、マウスの乳腺発達過程において、特に上皮性管の伸長の調節に不可欠であることを示す。乳腺移植実験から、miR-212/132ファミリーの機能は、上皮ではなく、間質において必要であることが明らかにされた。miR-212およびmiR-132の両方が、乳腺間質のみに発現しており、マトリックスメタロプロテアーゼのMMP-9を直接標的としている。miR-212とmiR-132を欠損する乳腺では、MMP-9の発現増加と、乳管周囲への蓄積がみられた。これによって、コラーゲンの沈着が妨げられ、腫瘍増殖因子βシグナル伝達経路の過剰活性化が引き起こされる可能性があり、そのため乳管の伸長が低下する。我々の結果から、miR-212/132ファミリーが、乳腺の適切な思春期発達に必要な上皮間質相互作用の主要な調節因子の1つであることが明らかになった。

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