Letter 精神遅滞:精神遅滞の新しいパラダイム 2010年12月1日 Nature Genetics 42, 12 doi: 10.1038/ng.712 ヒトの世代あたりの突然変異率は高い。一般的な神経発達障害や精神的疾患で著しく低い繁殖力により対立遺伝子が失われるのを新生(de novo)突然変異が代償しているとすれば、進化遺伝学上での重要な矛盾を説明できる。本研究ではこの新生突然変異仮説をテストするため、10人の原因不明の精神遅滞患者について、家族を基本にエキソーム配列決定解析を行った。9つの遺伝子において、ユニークで非同義的な新生突然変異を見つけ、確認した。このうち6つの変異は6人の別々の患者で見つかり、遺伝子機能、進化上の保存性と突然変異の影響力からみて、病原性があると思われる。この発見は精神遅延の新生突然変異説を強く支持する実験結果となるものである。コピー数の新生変異とともに、大きい効果をもたらす新生点突然変異は、ヒト集団の中での精神遅滞の多くを説明できると思われる。 Full text PDF 目次へ戻る