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黒色細胞腫と:BAP1の生殖細胞系列変異は黒色細胞腫の素因
となる

Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.910

よくある後天的な黒色母斑は小型の均一な黒色細胞で構成される良性腫瘍で、皮膚の平坦あるいはわずかに隆起した病巣であることが多い。この論文では多発性、皮膚着色、隆起性の黒色細胞腫の発生を特徴とする常染色体優性の新しい症候群を持つ2家系について報告する。よくある後天的な母斑とは異なり、この家系のメンバーの黒色細胞腫は、組織病理学的に類上皮性母斑からメラノーマと重複するような特徴を持つ異型的な黒色細胞増殖におよぶ幅を示す。罹患者の中には眼球ぶどう膜あるいは皮膚のメラノーマになった人もいる。我々は、ユビキチンC末端加水分解酵素をコードしているBAP1の不活性化生殖細胞系列変異が、この表現型と共分離していることを見つけた。大部分の黒色細胞腫はさまざまな体細胞変異の結果BAP1の残存している野生型対立遺伝子を喪失していた。
さらに家族性腫瘍と組織学的に似た散発性の黒色腫の一部にBAP1変異を認めた。これらの所見は、黒色細胞腫のうち、臨床的、形態的に明確に区分されるタイプのものはBAP1の喪失と関連していることを示唆している。

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