Letter 血液・造血器疾患:家族性の骨髄異形成症候群-急性骨髄性白血病に関連する遺伝性のGATA2変異 2011年10月1日 Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.913 GATA2が骨髄異形成症候群(MDS)-急性骨髄性白血病(AML)の素因となる新規の遺伝子であることを発見したので報告する。MDS-AMLが多世代わたって継承されている3家系において、これまでには明らかになっていなかったGATA2転写因子遺伝子のヘテロ接合性c.1061C>T(p.Thr354Met)ミスセンス変異と、別のMDS家系において、隣接するコドンであるGATA2のc.1063_1065delACA(p.Thr355del)変異を見いだした。これらの変異により引き起こされる変化は、GATA2の2番目のジンクフィンガー内に見られるが、このジンクフィンガーはDNAとの結合やタンパク質-タンパク質間相互作用を仲介する働きをしている。本報告では、これらの変異が、標的遺伝子の転写活性化、細胞分化、アポトーシスおよび全体的な遺伝子発現に与える効果の違いを示す。家族性のMDSおよびAMLにおいてこのような素因遺伝子を同定することは、より効果的な診断と予後、カウンセリング、血縁者間での骨髄移植ドナーの選択、および治療の開発に重要である。 Full text PDF 目次へ戻る