Letter 大動脈疾患:ゲノムワイド関連研究から15q21.1のFBN1に広がる胸部大動脈瘤および大動脈解離の感受性座位が同定される 2011年10月1日 Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.934 胸部大動脈瘤・解離(TAAD)は単一遺伝子疾患として遺伝することがあるが、罹患者の大部分の遺伝学的素因はほとんど理解されていない。多段階のゲノムワイド関連研究(GWAS)において、散発性TAAD(STAAD)の765人と対照874人を比較し、STAADと関連する15q21.1座位の複数のありふれたSNPを同定した。このオッズ比は1.6−1.8で、ゲノムワイドな有意水準に達していた。我々は、この領域でP<1×10−5でSTAADに関連する107個のSNPについて、2つの別々のSTAADコホートで追試を行った。この関連の見られたSNPは、フィブリリン1をコードするFBN1を含む大きな連鎖不平衡領域に存在した。FBN1の変異はマルファン症候群を引き起こすが、その主要な心血管系の合併症はTAADである。この研究は、FBN1を介しておそらく作用する、15q21.1のありふれた遺伝的多様型がSTAADに関連することを示すものであることから、マルファン症候群とSTAADの大動脈疾患には共通の発症機序があることが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る