Letter 中皮腫:悪性胸膜中皮腫では体細胞変異と3p21.1の 欠失により核内脱ユビキチン化酵素BAP1が 一般に不活性されている 2011年7月1日 Nature Genetics 43, 7 doi: 10.1038/ng.855 悪性胸膜中皮腫(MPM)ではCDKN2AとNF2の不活性化を見ることが多いが、これ以外の頻発する変異は報告されていない。さらなる駆動遺伝子を見つけるため、53例のMPM腫瘍サンプルについて総合的ゲノム解析を行い、絞り込んだ塩基配列決定を行った結果、23%のMPMでBAP1に不活性化体細胞変異を見つけた。核内脱ユビキチン化酵素BAP1はヒストン(ポリコーム抑制サブユニットとしてのASXL1とともに)およびHCF1転写コファクターを標的としていることが知られているが、MPM培養細胞株でBAP1をノックダウンすると、E2Fとポリコームの標的遺伝子群に影響することが明らかになった。これらの所見はMPMの発症に転写の調節異常がかかわっていることを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る