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白血病:T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)に
おいて協調的に働くマイクロRNA腫瘍抑制
因子遺伝子ネットワーク

Nature Genetics 43, 7 doi: 10.1038/ng.858

特定のがんにおいては、miRNA個々の重要性が確立されている。しかし、特定のがんのいずれにおいても、miRNAの発症機序への寄与についての包括的な解析は行われていない。本論文では、
T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)において、少数のmiRNAが協調して、いくつかの腫瘍抑制因子遺伝子の抑制に関与していることを示す。ヒトのT-ALLでのmiRNAの発現プロファイルを、偏りのないmiRNAライブラリーのスクリーニング結果と互いに比較することで、5つのmiRNA(miR-19b、miR-20a、miR-26a、miR-92およびmiR-223)を同定できた。これらのmiRNAはマウスモデルでT-ALLの進行を促進でき、また、ヒトのT-ALLにおいて高い発現が見られるmiRNAの大部分を占める。そのうえ、これらのmiRNAは、T-ALLの発症機序に関与する腫瘍抑制因子遺伝子、IKAROS(別名IKZF1)、PTENBIMPHF6NF1およびFBXW7などに重複して、かつ協調的に影響を与える。したがって、T-ALLにおけるmiRNA作用の包括的で偏りのない解析から、このがんでのmiRNAと腫瘍抑制因子遺伝子間の相互作用の注目すべきパターンが明らかになった。

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