Letter 2型糖尿病:ゲノムワイド関連研究のメタ解析から東アジア人での2型糖尿病の8個の新規座位が同定される 2012年1月1日 Nature Genetics 44, 1 doi: 10.1038/ng.1019 東アジア人集団での2型糖尿病(T2D)の感受性座位を同定するために、3段階の遺伝学的研究を行った。第1段階として、8つのT2Dゲノムワイド関連研究(T2D症例6,952人と対照11,865人)のメタ解析を行い、次に第2段階としてin silicoの追試解析(症例5,843人と対照4,574人)、第3段階としてde novoの追試解析(症例12,284人と対照13,172人)を行った。これらの総合的な結果からゲノムワイドな有意水準に達する8個の新規T2D座位を同定した。これらの座位は、GLIS3、PEPD、FITM2-R3HDML-HNF4A、KCNK16、MAEA、GCC1-PAX4、PSMD6およびZFAND3の領域内あるいはその近傍に位置決定された。GLIS3は、膵ベータ細胞の発生やインスリン遺伝子の発現に関与し、空腹時血糖値と関連することが知られている。PEPDおよびHNF4AとT2Dとの関連の証拠はこれまでの研究で示されている。KCNK16は膵臓でのグルコース依存性インスリン分泌を調節する可能性がある。東アジア人集団から得られたこれらの知見は、T2Dの病因についての新しい全体像を示す。 Full text PDF 目次へ戻る