Letter 白血病のエキソーム:エキソーム塩基配列決定により、慢性リンパ性 白血病においてスプライシング因子SF3B1遺伝子の変異が頻繁に認められた 2012年1月1日 Nature Genetics 44, 1 doi: 10.1038/ng.1032 西洋の成人において最も頻度の高い慢性リンパ性白血病(CLL)患者105人の検体を用いて全エキソン塩基配列決定を行った。遺伝子の機能に影響を与えうる1,246の体細胞変異を見出し、2つ以上のがん検体において機能が変わることが予測される78個の遺伝子を同定した。これらの遺伝子のうち、スプライソソームU2核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)をコードするSF3B1の体細胞変異が、罹患者の9.7%においてみられた。CLL患者279人を用いたさらなる解析により、SF3B1変異はより速い病状の進行と、全生存期間の予後不良と関連していた。本研究は、CLLにおける体細胞変異について初めての包括的なカタログと臨床的な関連性を提供するものであり、よくみられるこのタイプの白血病の進展に寄与する新しい遺伝子の大規模なセットを明らかにするものである。これらの結果は、mRNAスプライシングを含むよく知られた遺伝的経路を標的とすることが、CLLやほかのがんの治療にとって有用であるという考えを強く支持する。 Full text PDF 目次へ戻る