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ミトコンドリアDNA:生殖細胞系列のミトコンドリアDNAヘテロプラスミーの多様性は生前に決まるが、その後の伝搬の間に修飾を受ける

Nature Genetics 44, 11 doi: 10.1038/ng.2427

病因変異が遺伝する際にみられるミトコンドリアDNA(mtDNA)のヘテロプラスミーの顕著な変化は、遺伝的ボトルネックによって説明されているが、これらの変化が起きる詳細な時期については議論のあるところであり、またその選択が何らかの役割を担っているかどうかは明らかでない。これらの問題は、リスクを持つ母親の遺伝的カウンセリングや、病気の予防を目的とした治療法の開発にとって重要である。ミトコンドリアtRNAMet遺伝子の一塩基対欠失のヘテロプラスミーが遺伝するマウスを用いた研究から、哺乳類mtDNAヘテロプスミーの程度は、主として発生時の雌性生殖細胞系列の中で出生前に決まることがわかった。mtDNAの選択が出生前に起きる証拠は認められなかったが、ヘテロプラスミーの程度の歪みは次世代の子においてみられ、浄化選択と矛盾しない。tRNAMet変異を持つmtDNAゲノムの割合が高いと、ミトコンドリアRNA量全体は代償的に増えて生化学的な形質が改善しており、なぜ妊孕性が障害されないかということを説明している。

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