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てんかん性脳症:KCNT1チャネルのde novoの機能獲得性変異は乳児悪性焦点移動性部分発作を引き起こす
Nature Genetics 44, 11 doi: 10.1038/ng.2441
乳児悪性焦点移動性部分発作(malignant migrating partial seizures of infancy:MMPSI)は、乳児のまれなてんかん性脳症で、薬剤抵抗性の発作と発育遅延を伴う。MMPSIを罹患する3人の発端者においてエキソームの配列決定を行い、KCNT1カリウムチャネルのC末端ドメインに影響を与えるde novoの機能獲得性変異を同定したので報告する。さらに、MMPSIを罹患する9人においてKCNT1の配列を決定し、そのうちの4人に変異を同定したので、合計として、血縁関係のない12人の罹患者のうち6人に変異を同定した。機能研究から、これらの変異がチャネルの構成的活性化を引き起こし、プロテインキナーゼCによるC末端ドメインのリン酸化の効果を模倣することが示された。KCNT1は、イオン流出の調節に加え、そのC末端が発生のシグナル伝達経路に関与する細胞質タンパク質と相互作用するので、非伝導機能も持つ。これらの結果は、今後の診断アプローチで注目すべき点を明らかにするとともに、この深刻な疾患の研究の機会を提供するものである。