Letter クロマチン:SMARCA2のヘテロ接合性ミスセンス 変異によってニコライデス・バライスター症候群が引き起こされる 2012年4月1日 Nature Genetics 44, 4 doi: 10.1038/ng.1105 ニコライデス・バライスター症候群(NBS)は、薄毛、特有の顔面形態、四肢遠位の異常および知的障害を特徴とする。我々は、NBS患者10人のエキソームの配列を決定し、そのうちの8人にSMARCA2のヘテロ接合性の配列多様性を同定した。さらなる分子スクリーニングによって、NBS患者44人のうち36人にSMARCA2の非同義変異を同定した。これらの変異は、親の試料が利用できた場合には、de novo変異であることを確認した。SMARCA2は遺伝子転写の調節に関与するATP依存性クロマチンリモデリング複合体SWI/SNFのコア触媒ユニットをコードしている。このような変異は、このタンパク質の触媒作用を担うATPアーゼ領域の超保存モチーフ(ultra-conserved motif)をコードする配列内に集中している。これらの変化は、SWI/SNF複合体の組み立ては阻害しないと考えられるが、ATPアーゼ活性の低下に関連しているのだろう。ヒトにおけるSMARCA2変異の同定は、Snf2ヘリカーゼファミリーの機能を理解する手がかりとなる。 Full text PDF 目次へ戻る