Letter

腎がん:11q13.3の腎がん感受性座位の多型がcyclin D1発現エンハンサーへのHIF結合に影響する

Nature Genetics 44, 4 doi: 10.1038/ng.2204

ゲノムワイド関連研究は集団解析に基づく多くのがん感受性座位の存在を明らかにしてきたが、機序の実体、特に遺伝子間相互作用の多型についてはその理解は限られている。この論文では、最近腎がん感受性座位として同定された染色体11q13.3の遠隔遺伝子間相互作用部位の多型が、CCND1(cyclin D1をコード)遺伝子の転写エンハンサーに対する、低酸素誘導因子(HIF)の結合ならびに機能を修飾していることを示す。このエンハンサーはこれまで同定されておらず、また、von Hippel-Lindau腫瘍抑制遺伝子(pVHL)の不活性化を特徴とする腎がんに特異的である。抑止型のハプロタイプは、HIF-2の結合を阻害して、cyclin D1発現の対立遺伝子不均衡をきたす結果、低酸素経路と細胞周期制御の連携に影響を与えている。

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