Technical Report

多面発現:自己免疫疾患および神経精神疾患に含まれる潜在的サブグループに由来する基本的な不均一性を検出することによって多面発現を解読する方法

Nature Genetics 48, 7 doi: 10.1038/ng.3572

複雑な形質に共有されるリスク対立遺伝子(多面発現)の証拠が、自己免疫疾患や神経精神疾患をはじめとする疾患で見つかってきている。これは、全ての個人に共有されているものによるのかもしれないし(グループ全体での多面発現)、遺伝学的に不均一なコホートの一部の個人に共有されているものによるのかもしれない(サブグループ間不均一性)。本論文では、検出力の優れた統計ツールBUHMBOXを使用して、遺伝子型データを用いた解析によって、これら2つの状況を識別したので報告する。11の自己免疫疾患と1型糖尿病(T1D、P < 1×10−4)の間、および11の自己免疫疾患と関節リウマチ(RA、P < 1×10−3)の間に遺伝学的基盤が共有されていることが観察された。この共有はサブグループ間不均一性によっては説明されなかった(補正PBUHMBOX> 0.2、T1D 6,670症例およびRA 7,279症例)。血清反応陰性RAと血清反応陽性RA間には、サブグループ間不均一性にもとづく遺伝学的共有(P < 1×10−9)が見られる有意な証拠が得られ、血清反応陰性症例内に血清反応陽性様症例のサブグループが存在すると考えられる(PBUHMBOX=0.008、血清反応陰性RA 2,406症例)。また、大うつ病性障害(MDD)と統合失調症に共有される遺伝学的基盤も観察されたが(P <1×10−4)、これはサブグループ間不均一性では説明されなかった(PBUHMBOX=0.28、MDD 9,238症例)。

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